近年の日本の夏は、年々暑さが厳しくなっています。猛暑日が続くようになり、屋根の表面温度は日中で60℃を超えることも珍しくありません。
加えて、ゲリラ豪雨や台風による強い雨風も増えており、私たちの家を守る「屋根」は、以前よりも過酷な環境にさらされています。
外壁は比較的影になる部分も多いのに対し、屋根は常に太陽光による紫外線や雨を直接受けるため、劣化の進行が外壁よりも早い傾向にあります。実際、「外壁はまだきれいなのに、屋根の色あせやヒビが目立ってきた」というご相談をいただくことも増えています。
屋根の劣化が早い理由
屋根は建物の「最前線」であり、紫外線・熱・雨・風といった自然の力をすべて受け止めています。特に紫外線による塗膜の分解や、昼夜の温度差による膨張と収縮は、塗料の耐久性を大きく低下させます。
また、屋根材の種類によっては水分を吸収しやすいものもあり、塗膜が劣化するとそこから雨水が染み込み、カビやコケの発生、さらには下地材の腐食につながることもあります。こうした状況を防ぐためにも、定期的なメンテナンスと「高耐久の塗料選び」が欠かせなくなってきました。
屋根塗装にフッ素塗料・無機塗料が選ばれる理由
屋根の塗り替えでは、従来シリコン塗料が一般的でしたが、近年は「フッ素塗料」や「無機塗料」の人気が高まっています。その理由はずばり、「圧倒的な耐候性と長寿命」です。
◆フッ素塗料が選ばれる理由
    フッ素塗料は、耐熱性・耐紫外線性に非常に優れており、塗膜の劣化を長期間防ぎます。汚れも付きにくく、美観を長く保つことができます。
    耐用年数は15〜20年ほどで、頻繁に塗り替えが難しい屋根には理想的な塗料です。
◆無機塗料が選ばれる理由
    無機塗料は、ガラスやセラミックなどの「無機成分」を多く含む塗料で、紫外線や熱による劣化が起こりにくいと言われています。
    耐用年数は20年以上といわれ、現状では最も長持ちする塗料の一つです。
    また、カビやコケが付きにくく、屋根の美しさを長期間維持できます。
コストパフォーマンス
    一見すると、フッ素塗料や無機塗料はシリコン塗料よりも価格が高く感じるかもしれません。
    しかし、塗り替えの回数を減らせることを考えると、長期的にはメンテナンスコストを抑えられるケースが多いです。
    たとえば、10年ごとにシリコン塗料で塗り替えるより、20年持つ無機塗料を1回施工する方が、結果的に費用も手間も削減できます。
高耐久塗料のデメリット
ご紹介したように、「フッ素塗料」や「無機塗料」といった塗料には汚れが付きにくい、紫外線や熱による劣化が起こりにくい、高耐久性があるなどメリットが多くありますが、もちろんデメリットもあります。
まず先程もご説明したように、シリコン塗料に比べて施工価格が高くなります。一時的な出費としては高くつきますが、耐用年数が長くなりますので長期的に考えるとコストパフォーマンスには優れています。
次に、塗膜が硬いという性質が故に下地の動きに追従しにくく、ヒビが入りやすいケースもあります。
また、施工には高い技術と経験が求められます。その為、いくら高耐久塗料を使っても施工店によっては品質に差が出ることがあります。
まとめ
    これからの時代、屋根塗装には「高耐久・高性能」の塗料を選ぶことが家を長持ちさせる最大のポイントです。
    特に、フッ素塗料や無機塗料は、強い日差しや雨風に負けない安心の性能を備えており、今後ますます主流になっていくでしょう。
ご自宅の屋根が少しでも気になる方は、お気軽にご相談ください。
今回はフッ素塗料・無機塗料についてご紹介しましたが、ご予算や屋根の種類、状況によっては他にもおすすめな塗料はもちろんあります。
    
    長く快適に暮らせる住まいづくりを、最適な塗料選びから始めてみましょう。
